謹 賀 新 年

明けまして
  おめでとうございます



 氏子崇敬者の皆様には健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
 平成十九年が皆様にとりまして幸の多いすばらしい一年になりますようにご祈念させて戴きます。

 この土生神社は土生町一町の氏神様として地元の人々に篤く崇敬されている神社です。一町だけでこれほどの氏神様のお宮を持つところはあまりありません。そのことはこの土生の歴史と伝統の特色と深さを物語っていることであり、新旧に関わらず土生に暮らす人間として誇りと感謝の気持ちをこの一年の初めにあたり新たにしたいと願っています。

 土生神社の創建年代は定かではありませんが、伝承では寛治四年(西暦一〇九〇年)白河上皇熊野御幸の帰途当地に留まられた際願い出て北野天満宮よりご祭神菅原道真公を勧請したと伝えられており、平成二年には盛大に創建九百祭が執り行われたのです。
 主祭神の菅原道真公は天神さんと親しまれ、学問の神様としてつとに有名ですが、それと共に土生の地を熊野街道が通過していることから、熊野信仰とのつながりの深さも物語る創建伝承となっています。現在でも白河上皇の遥拝石が当社の本殿横に熊野神社としてお祭りされています。熊野信仰は甦りの信仰として貴族から一般民衆にまでその信仰が広がっていたのです。

 ところで昨年はいじめによる子ども達の自殺の連鎖など命ということをあらためて見つめさせられる年でした。
 私個人深く交流のあった方々の死や、自分自身体調を崩して、命や死について考えることの多い一年でした。
 難しいことはわかりませんが、一人一人の命の尊さというものはただ自分のことだけ考えている中からは決して生まれてくるものではないと思います。人と人が助け合い共に生きていく、そのぬくもりの中に命の本当の意味があり、生死の意味があるのだろうと思います。
 いじめなんて卑屈なことはやめ、またどんないじめにも屈せずに共に生きていくことの中に新しい希望を見つけて甦る、新しい命の年にしていきたいと祈っています。
 そのことを当社と甦りの信仰・熊野信仰とのつながりの中で今年は問いかけてみたいとも考えています。
 本年もどうぞご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

                             土生神社 宮司 阪井 健二